当社は、2014年から水上太陽光発電事業を開始するなど、長期経営構想「Beyond Imagination 2030」においても、基本方針の一つに「SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み強化」を掲げ、サステナビリティについての取り組みを積極的に行っています。気候変動対策はグローバル社会が直面している重要な社会課題であり、当社にとっても重要な経営課題の一つであることから、2022年3月にTCFD※1の提言に賛同を表明し、賛同企業や金融機関が議論する場である「TCFDコンソーシアム※2」にも参画しています。
今後、気候変動に関して、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の観点から、TCFD提言に基づいた情報開示の充実に向けて積極的に取り組んでいきます。
※1 G20の要請を受け金融安定理事会(FSB)が設立した、企業の気候変動に関する情報開示および金融機関の対応を検討するタスクフォース。 ※2 企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断につなげる取り組みについて議論する場として、2019年に設立したコンソーシアム。
代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会では、重要課題に基づき設定した目標に関する進捗などを全社グループ横断的に議論し、重要な事項は取締役会へ報告し指示を受けることとしています。
推進体制
気候変動に伴うリスクと機会を特定し、気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)の第6次評価報告書や、国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)の世界エネルギー見通し(WEO:World Energy Outlook)などを参考に、2℃未満シナリオと4℃シナリオを考慮したシナリオ分析を実施しています。今後の当社の事業活動においてリスクの低減および機会を捉え、社会課題の解決につながる製品を開発していきます。
機会事例1
次世代モビリティの普及による自動車の電動化・電装化に伴い、自動車1台当たりの使用基板面積増によるソルダーレジストの使用量の増加を当社事業の機会と捉え、さらなる開発促進に努めます。
車載用基板 販売数量予測※
※出展:「車載電装デバイス & コンポーネンツ総調査2022」
(2020年は実績、2025年、2030年、2035年は予測)
株式会社富士キメラ総研より
機会事例2
プラスチック容器をパウチへ、段ボールを再生利用可能なケースへ変更するなど、廃棄物を削減する取り組みを積極的に進めており、顧客の廃棄物削減にも貢献しています。
サステナビリティ推進委員会にて識別・評価した気候変動リスクを実行部門にて対応し、継続してサステナビリティ推進委員会および取締役会にてその対応を管理・モニタリングしていきます。
政府基準である2050年のカーボンニュートラル達成に向け、従来の消費電力の再エネ化に関する目標からCO2排出量削減の取り組みをさらに加速させます。2031年3月期にグループ全体で2017年3月期比40%削減を目指します。また、国内のエレクトロニクス事業においては、カーボンニュートラル達成、国内の医療・医薬品事業においては70%削減を目指し、グループ全体で2050年にはカーボンニュートラル達成を実現します。
太陽光発電事業をはじめとする当社の強みを生かした施策により、CO2排出量の削減を推進し、目標達成を目指します。引き続き、脱炭素社会の実現を重要な課題の一つに位置づけ、情報開示の充実を行っていくとともに、より一層、環境に配慮した事業活動を行っていくことで、持続可能な社会を実現できるよう取り組んでいきます。
当社グループの2030年に向けたCO2排出削減イメージ(Scope1+2)