座談会

太陽グループをさらに先へ

楽しむ気持ちとともに

築き上げた知見を生かして、太陽グループをさらに先へ

太陽グループの主力事業であるソルダーレジストに関わる3人の方にお集まりいただき、当社の製品開発や、そこから生まれ、受け継がれてきたものについてお話いただきました。

  • 柴田 大介

    柴田 大介

    太陽インキ
    FTプロジェクト
    NXIグループ

    楽しく、わくわく、
    ドキドキできる仕事をしよう!

    2005年入社以来、穴埋めインキ、層間絶縁材料などの熱硬化材料開発に携わってきた。2013年から2年間、産業技術総合研究所でセルロースナノファイバーを利用した複合材料の研究を行い、現在はFTプロジェクトNXIグループにて感光性層間絶縁材料の開発に取り組む。

  • 竹原 栄治

    竹原 栄治

    太陽ホールディングス
    取締役
    太陽インキ 取締役
    (Nプロジェクト担当、
    管理部担当)

    「仕事を楽しむ」気持ちを
    大切にしてください

    1986年入社。
    2001年11月、開発一部長に就任。
    2008年9月、開発二部長に就任。
    2010年10月、太陽インキ取締役就任。

  • 植田 千穂

    植田 千穂

    太陽インキ
    パッケージ
    マテリアル部
    先端材料開発課長

    太陽グループの更なる
    シェア拡大に挑みます!

    2000年入社以来、エッチングレジスト、感光性レジストの製品開発によりコンシューマー製品へ貢献。2009年に担当した世界初のオフコンタクト露光対応黒色感光性レジストが今日までスマートフォン等の最終製品に使用されている。現在は、ICパッケージ基板用ドライフィルム型感光性レジストの開発に取り組む。

培われてきた経験と技術が
太陽グループを支えている

ー 皆さんは、これまでどのような仕事に携わってきたのでしょうか? ー

竹原

今から30年以上前に入社してから長くソルダーレジストの開発に携わってきました。さまざまな種類のソルダーレジストや絶縁材料の開発に携わってきましたが、印象に残っているのはフォトタイプの絶縁材料を担当したことです。大手電子機器メーカーの製品に採用していただいたことは今でも自分の財産だと思っています。その後はソリューションエンジニアリング部や開発一部の部署、開発二部の部長と、マネジメントを担当してきました。

柴田

私は入社以来ずっと熱硬化型の絶縁材料の開発に携わってきました。 現在は光硬化型の層間絶縁材料を開発しており、太陽グループで蓄積されたソルダーレジストの技術やノウハウを活用しながら製品化を進めています。

植田

これまで、ソルダーレジストの開発に携わっていますが、研究内容は変化しています。太陽グループは業界シェアナンバーワンですが、今後のシェア拡大のために攻略すべき市場が半導体パッケージ分野にあります。AIやIoTの進化に使用される半導体の需要は今後も拡大していくと予想されますので、その分野の攻略業務に従事しています。

ー 太陽グループが今と昔で変わってきたと感じることはありますか? ー

竹原

開発者という観点から言うと「混ぜ屋さん」から「化学者集団」へ変化を遂げてきたと思います。昔は、“とにかく試してみる”という製品開発を行ってきました。製品に使用する原料が10種類あれば、それを組み合わせて何十通り、何百通りもの試作を重ね、その中で高い効果を得られた手法を採用していました。まさに、トライアンドエラーの繰り返しであったと思います。しかし、今は過去の開発データを分析し、シミュレーションなどを重ねて、科学的根拠を元に開発の方向性を決定している。そこが大きく変化したと思います。

植田

現在は、お客様も開発コンセプトに魅力がない開発品は評価してくれません。太陽グループの先輩方が築いてきたシェアを守り、そして拡大するために、さらなる高性能化と競合品との差別化を取り入れた技術コンセプトを考えながら開発を進めています。

柴田

蓄積された経験やノウハウは太陽グループの大きな財産ですよね。私が3年ほど前から手掛けている光硬化型の層間絶縁材料の開発もこれまで行っていた熱硬化材料とは組成が異なるため、最初はとまどいました。しかし、ソルダーレジストの開発で培った技術が応用できるので、先輩方に教えていただきながら取り組んでいます。

竹原

植田さんは、半導体パッケージ分野のシェア攻略に引き続き取り組んでいただき、ソルダーレジスト研究の旗振り役としての役目を担っていただきたいですね。柴田さんは、昔よりも格段に高性能な製品を求められているので大変な任務だとは思いますが、ぜひ製品の立ち上げを実現させてもらいたいです。そして、層間絶縁材をソルダーレジストと並ぶ太陽グループの主力製品としてほしいです。

植田

普段、こうして面と向かって話す機会が少ないので、そういった言葉をかけていただけると、とてもうれしいです!期待にこらえられるように頑張ります。

柴田

私も、竹原さんたちが手掛けてこられた層間絶縁材が社内の注目を浴びられるように、これからも邁進します。

受け継がれていく
太陽グループのDNA

ー 植田さんと柴田さんは、先輩方からの教えで印象に残っていることはありますか。 ー

植田

開発業務に携わり始めた頃、先輩に言われて印象に残っていることが2つあります。1つは、入社2年目で海外での仕事を任された時「自分のやりたいようにやればいい。失敗してもフォローしてあげるから」と言われたこと。海外経験もなく、どう仕事を進めていけばよいか分からず悩んでいた時、その言葉をいただいて気持ちが前向きになりました。 もう1つは、「どんなに性能が良くても使いづらいと採用されない」という言葉。高性能な製品をつくれば採用してくれると思い込んでいましたが、その他の徳性とのバランスや安定性など量産時のことも見据えて開発をすることを学びました。そうした先輩方の教えは後輩たちにも伝えています。

柴田

私は、竹原さんが経営計画発表会などの場でおっしゃっていた「攻めと攻め」という言葉が印象に残っています。当時、広島にある産業総合技術研究所に出向しないかという話が持ち上がっていました。まったく新しい環境で新しい研究に取り組むことに躊躇していましたが「守ってばかりでは自分の殻を破れない」という竹原さんの言葉に背中を押されて、広島に行くことを決意しました。新たな知見も得ることができ、新しい人とのつながりも生まれて、あの時チャレンジして良かったなと思いますね。

竹原

「攻めと攻め」と言った記憶はあります。ビジネスには当然攻めと守りの面がありますが、「失敗してもいいじゃないか」という気持ちでその言葉を使っていました。太陽グループに根付いている“積極的に挑戦していこう”という風土は非常に重要だと思います。

ー 皆さんが仕事を通して達成感や喜びを感じるのはどんな時ですか? ー

植田

社内の仲間はもちろん、お客様や材料メーカーなど、多くの方々と協力して製品を作り上げた時ですね。製品は一人の力で作ることはできません。時には、他部署の協力もあり何度も検討を重ねながら一緒に作り上げていく。その過程を通して信頼関係を築くことができ、開発品が採用された時には一緒に達成感を味わうことができる。世の中の話題になるような製品に採用され、一緒に頑張った仲間とまた次の面白い製品開発について話ができる。それが、この仕事を続けていて楽しいと思える瞬間ですね。

竹原

やはり、製品が世に出る瞬間というのは格別な思いがありますね。私も、柴田さんと同じく絶縁材料の開発に携わっていた時、自分の手掛けた材料が組み込まれた製品が店頭で販売されているのを見て、感動したことを覚えています。時代の最先端の製品に貢献できているということに誇りを感じました。

柴田

私の場合、実験そのものが昔から好きで、それがこの会社に入社した理由の一つです。太陽グループにはいろいろな施設があり、高価で最新の設備もたくさんあります。それをどんどん使って実験に没頭できる環境があるというのはすごく幸せなことだと思いますし、日々楽しく研究をさせてもらっています。

竹原

「楽しい」というのは、太陽グループに受け継がれてきた特徴の一つだと思います。私がソルダーレジストの開発を行っていた頃は、休日も「来週はこんなスケジュールで、こんな実験をしてみたいな」と自然と考えていました。日曜日の夜には、次の日会社に行くのが楽しみで仕方がなかったです。

柴田

「楽しく、わくわく、ドキドキできる仕事をしよう」という考えが受け継がれているのを実感しますね。特に、最近は社内で新規事業という言葉を頻繁に耳にするようになりました。新しいことに積極的に挑戦していこうという姿勢が社内に浸透しているのが分かります。

竹原

もちろん、「楽しさ」というのは、「苦痛がない」という意味ではありません。仕事を通して、苦しいことや大変なことを経験することもあるでしょうが、その先に自分が誇りに思えること、多くの人に喜んでもらえることがある。それこそが「楽しさ」であり、太陽グループで働く皆さんに大切にしてもらいたいことです。

業界ナンバーワンの技術力を
さらに先へ

ー 皆さんの今後の目標をお聞かせください。 ー

植田

引き続き、太陽グループが未だ攻略できていない市場でのシェア拡大に挑んでいきたいと思います。技術的な難易度が高いですが、後輩にも達成経験を味わってほしいですし、乗り越えた自分に誇りをもって次のステップに進んでほしいと思っているので、頑張ります。

柴田

ソルダーレジスト以外の絶縁材料という分野で製品を立ち上げるのが目標です。国内外問わず多くのお客様に評価していただいており、今がチャンスだと思っていますので、この機会を逃さずに取り組んでいきます。パソコンやスマートフォンなど、身近な機器に自分の手掛けた製品が搭載されるその日に向けて、頑張ります。

竹原

先ほども「楽しさ」という言葉を使いましたが、太陽グループのこれからを担う皆さんに「楽しさ」を伝えていければと思います。お二人にも、ぜひ楽しみながら仕事をしてほしいですね。

ー 最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。 ー

竹原

太陽グループを支える製品開発に携わっていることを誇りに思ってほしい。そして、他のメーカーの追随を許さず、業界ナンバーワンの地位をゆるぎないものにするために、自分たちにできることは何かを考えながら仕事に取り組んでもらいたいと思います。

柴田

太陽グループには業界ナンバーワンを誇る技術力があり、社内には素晴らしい技術を持った人がたくさんいます。そうした人たちと積極的にコミュニケーションを取って、技術を学び、成長していってほしいです。

植田

太陽グループには、面倒見の良い人が多い会社です。そうした先輩方からいろいろなことを教わって、その技術をさらに自分の考えでブラッシュアップすることを楽しみながら、太陽グループをさらに先へと導いてほしいと思います。

座談会を終えて

  • 竹原 栄治

    竹原 栄治

    今回のように、現場の最前線で研究に取り組む人たちの生の声を聞く機会は多くはなく、非常に貴重な経験をさせてもらいました。私がこれまでの経験を通して身につけた技術や思いを、皆さんに少しでも伝え、役立ててもらえるような取り組みをこれからもしていきたいと思います。

  • 植田 千穂

    植田 千穂

    お二人の今までに聞いたことのないお話や、これまでの歩みをお聞きし、とても興味深かったです。座談会に参加できて良かったです。これからも太陽グループの諸先輩方が築いてきたものをさらに高め、後輩たちにもつなげていきたいと思います。

  • 柴田 大介

    柴田 大介

    座談会に参加したことで、お二人の仕事に関する経験談を聞くことができ、とても刺激を受けました。太陽グループで働く人たちの経験を聞く機会を社内でもっと増やしていけたら、よりグループの結束力が強くなるのではと思いました。お二人から学んだことを、これからの研究開発に生かしていきます。