エネルギーの消費者から生産者へ

私たちの生活は大部分が化石エネルギーに依存しており、これまで、日本経済は化石エネルギーを使用した、大量生産、大量消費、大量廃棄といった消費サイクルを続けて発展拡大してきました。それと同時に近年、地球温暖化など多くの深刻な問題が発生しています。

 

今すぐに化石エネルギーへの依存から脱却することは困難ですが、「出来ることから始めよう」というコンセプトから、水上設置型メガソーラー発電所の設置に取り組みました。エネルギーを自ら創り出してこれらの問題に挑戦することが当社の果たすべき責務だと考えています。この事業の運営会社として2014年12月に 太陽グリーンエナジーを設立し、太陽光を利用した環境にやさしい発電事業を始めました。

水上設置型メガソーラーの建設に向けて

水上設置型メガソーラーは陸上設置型よりも建設や運営が数倍難しいとされています。それでも水上設置型メガソーラーを選んだ理由は、広い面積が確保できる湖沼や調整池は、施工上の技術的課題が克服できさえすれば日照にも恵まれ太陽光発電所として最適だからです。また、陸上設置型に比べて水上設置型は水面の冷却効果により発電効率が5〜10%高いというメリットも後押しになりました。

 

自治体(埼玉県比企郡嵐山町) の支援もあり、2015年に町所有の調整池を借用し建設をスタート。一番の問題は、「太陽光パネルを固定すること」でした。季節によって水位が変動し、風によってパネルが動いてしまうので位置をコントロールすることが必要不可欠でした。そこで、水に浮く架台の役割を果たすポリエチレン製のフロートと、池底に打ち込んだアンカーをワイヤーで接続して固定する工法を採用してこの問題を克服しました。この工法により調整池周辺の豊かな自然環境を維持した発電所の建設が可能となりました。

地域のために、蓄電池を備えた太陽光発電設備を寄付

2015年9月には4522枚の太陽光パネルにより1153Kwを出力する嵐山水上太陽光発電所が完成、同年10月から発電を開始しました。CO2削減量は1年間で約400トンを見込んでいます。この「水上設置型メガソーラー」の開設にあわせて、工業団地の一角にある管理センター(公共施設)には蓄電池を備えた太陽光発電設備を寄付しました。また、この管理センターは震災時などの災害時には150人収容できる避難所となり、長期停電時に蓄えた電力と発電した電力で自立運転ができるようになります。

 

太陽ホールディングスは太陽グリーンエナジーを設立し、エネルギー消費者からエネルギー生産者としての一歩を踏み出しました。この歩みを止めることなく、これからも再生可能エネルギー事業への挑戦を通じて、環境負荷の低減や地域への貢献に取り組んでまいります。

友部 大


太陽グリーンエナジー株式会社
業務管理本部 課長

 

研究開発と技術管理、内部監査の経験を経て、2015年1月1日に同社に出向。その後、水上設置型太陽光発電所の建設における企画・運営に従事。 植物工場の運営にも携わっている。

※掲載内容は2015年12月取材当時のものです。