> 人を知る > 社員紹介

研究

誰かの役に立つ新素材を創りたい

研究本部 研究部 新素材研究課
太陽ホールディングス
2021年 入社

K.S.

※ インタビュー内容は取材当時のものです

太陽ホールディングス
研究本部

2021年〜2022年

低誘電材料の開発に従事。主にポリマー合成、熱硬化性樹脂組成物の評価を担当。

太陽ホールディングス
研究本部

2022年〜

感光性絶縁材料の開発に従事。主にポリマーの分子設計、合成、感光性樹脂組成物の評価を担当。

太陽HDとの出会い

“自分” のためだった化学を “他者” のために

身の回りの現象を理解できる化学が大好きで、大学でも有機合成化学を専攻していました。就職活動では、好奇心や探求心を満たすという “自分” のために培ってきた化学の知識を、快適な暮らしづくりのように “他者” のために活かせるような仕事に就きたいという想いがあり、化学メーカーを中心に企業を探していました。
太陽ホールディングスとの出会いは、修士1年生の夏に実施されたインターンでした。実際に研究所で先輩社員の方々と一緒に業務を経験する中で、心の中に熱い想いをもって自分のやりたいことを突き詰めている印象を持ちました。会社としてもエレクトロニクス事業だけにとどまらず、医療・医薬品、食糧、エネルギーなど新たな事業に絶えず挑戦し続けており、ここなら自分らしく研究に取り組めると思い、入社を決意しました。

想像を、行動に。

Schedule

-08:00
出社、メールチェック
-09:00
社内の打合せ
-10:00
実験
-12:30
昼食
-13:30
実験・文献調査・データ解析 等
-17:30
退社

大きな裁量の中で、未知の分野を追求

私が所属している新素材研究課は、エレクトロニクス事業の拡大を目的にこれまで当社が手掛けたことのない新たな素材の研究を行っています。求められる物性特性を仮説立て、それに基づきポリマーの構造設計及び合成を行い、複数の原料とコンポジットした組成物の評価・分析まで行っています。組成物とした際に期待した物性特性が得られない場合には設計段階に戻り、再度合成からやり直します。新素材の探求はこのサイクルを何度も繰り返すことが多く、根気が必要です。最近ではより効率的に研究が進められるよう、量子化学計算やシミュレーションに力を入れており、分子設計から物性特性を予測し実際に合成する原料をスクリーニングするような取り組みも行っています。
若手でも大きな裁量が与えられ、自分のテーマを追求できるやりがいを感じる一方で、学生時代の専攻とは異なる分野に不安もありました。しかし、先輩方のサポートや展示会・学会・セミナーなどへの参加により知見を得ることができました。個人に委ねられた自由な環境であるからこそ、積極的に情報を集めに行き主体的に学ぶ姿勢は必要不可欠だと感じています。その分、意欲がある人を手厚く支援してくれるので、バックグラウンドの違いは問題ありませんでした。
未知の分野に挑戦する際には最終ゴールが遠く見えづらいこともありますが、一定の研究成果がまとまると特許出願や社内向け報告書としてアウトプットできることがモチベーションとなっています。

行動で、未来を。

経験から育まれた研究開発への向き合い方

入社3年目の時、研究している材料を展示会に出展する機会がありました。初めて顧客となり得る方々とお話し、自分達が仮説を立てて歩んできた方向性が間違っていなかったと確かめることができました。これまでは生の声を直接聴く機会はなかなか無かったので非常に勉強になりました。良い反響をいただくことができ「他者の役に立つ材料をつくりたい」という学生時代からの目標に少し近づいた気がして、ようやくここまで来たのだと嬉しかったです。もちろん課題も多く残っていますが、具体的な物性の数値目標などをフィードバックしていただき、目標が明確になってきたことでより楽しんで研究開発に励んでいます。
また、これまでの経験を通して研究開発への向き合い方も変化してきました。実験がうまくいかないなど苦しい状況が続くこともありますが、だからこそ自分の中でしっかり目標を定めることが重要であると考えるようになりました。失敗をネガティブなものとして受け止めるのではなく、「この状況から自分は何を得るのか?」という視点を大事に取組まなければと強く感じています。

私が創る未来

大事にしたいバリュー:コミュニケーション

外部の視点も大切に、新素材をかたちにしていく

周囲には様々なバックグラウンドを持つ方々がいて、一つのデータに対しても異なる視点や専門性から意見をいただけることも多いです。「そんな考え方もあるのか」と気づかされると同時に、もっと勉強して幅広い知識を得なければと日々刺激を受けています。
今後は学生時代から培ってきた「合成」という武器を活かしつつ、独自のポリマーを生み出していきたいです。独りよがりの材料をつくっても意味がないので、積極的に外に出て学び、「市場では何が求められているのか?」ということにもしっかりとアンテナを張っていきたいと思います。また、良いものを生み出すためには社内だけではなく、原料メーカーや装置メーカー、大学の先生など外部との協力も不可欠なので、ネットワークを広げていきたいと思います。
自分の中の引き出しを増やし、真に価値のあるモノを創り上げていくことで世の中に貢献していきたいです。