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Project
Story03

プロジェクトストーリー03

重要度が増している
「放熱材料」の最前線

小型化・高機能化が進む電子機器。その製品づくりの裏側では放熱が大きな課題となっています。そんなエレクトロニクス業界の注目トピックにもなっている放熱に関して、異なる材料開発を行っている2人の社員が話しました。

Project Story-01

T.O.

開発

太陽インキ製造
絶縁材料開発部


2018年入社。1年目から高機能液状ソルダーレジストの開発・改良を担当。現在は放熱機能の特性を持つソルダーレジストの開発に取り組む。

C.T.

開発

太陽インキ製造
基盤技術開発部


2020年入社。層間絶縁材や導電性接着剤、感光性カバーレイフィルムといった基板実装分野の周辺材料を開発する部署に所属。熱硬化タイプの放熱材料に取り組み、新たな事業の柱をつくることを目指す。

Session01

技術の進化を止めないために
「放熱」が鍵になる

Session01

C.T.C.T.

電気自動車やオーディオなどの家庭用電化製品然り、サーバーや産業用ロボットなどの業務用電子機器然り、用途を問わず昨今のエレクトロニクス業界は小型化・高機能化、それに伴う部品の高集積化が進んでいます。ICチップ上に部品が高密度実装されたり、パワー半導体が使用されたり等の理由により、発熱が増えてしまうため、エレクトロニクス業界の進化に放熱は切っても切り離せません。今業界で放熱は注目を集めるトピックになっています。

T.O.

半導体周りが高温になると動作が不安定になる恐れがあり、最悪の場合故障してしまうこともあります。期待通りの機能を発揮するために放熱は欠かせません。
私の仕事は、ソルダーレジストがもともと持っている絶縁性という特徴を保持しながら、プラスアルファの機能を付与する開発を行うことです。顧客の課題を解決しようと向き合う中で放熱というテーマに出会いました。

C.T.

入社前、ソルダーレジストといえば絶縁性が求められるものというイメージでした。実際には電子機器や自動車など、どの最終製品に使用されるかによって顧客が抱える課題は異なり、当社製品には絶縁性だけではない様々な特性が求められていることを学びました。放熱はまさに入社前には全くイメージしていない特性でした。

Session02

特性を実現する
難しさと面白さ

Session02

T.O.T.O.

ソルダーレジストは基板に塗布・乾燥後、必要な部分に紫外線を照射し硬化させます。その後、未硬化の不要部分を除去することで基板上にパターンを形成します。「いかに細かいパターンを形成できるか?」という点は解像性といい、絶縁性とともにソルダーレジストに求められる重要な特性です。これらの特性を維持しながら放熱性を付与することが求められます。
たとえば、ただ放熱させるだけならば、熱伝導率の高い金属を入れると簡単に熱を外へ逃がすことができます。しかし金属を配合することは即ち電気を通してしまい、絶縁性が損なわれてしまいます。いずれかを優先すると、いずれかが損なわれてしまうというトレードオフの中で、いかに絶縁性・解像性と放熱性を両立させるか、そのバランスを取ることが求められます。

C.T.C.T.

私はプリント配線板に使用される熱硬化タイプの放熱インキの開発に取り組んでいます。ソルダーレジストとは異なる用途で使用される新規材料であるため、どんな特性をどれだけ担保した上で放熱性を付与できれば良いのか、顧客にヒアリングするなど自ら社外に情報を求めていく必要があります。具体的に要望がなくても、「顧客の使用状況だったら、これだけの保存安定性が必要だ」「これだけの絶縁性は担保しておこう」など、かゆいところに手が届くような提案ができるよう取り組んでいます。

T.O.

本来の特性を損なわずに放熱性を付与するというのは本当に難しいですが、だからこそ面白いと感じます。どんな原料を選び、どんな組成で配合するか、様々な変数を緻密にコントロールして、ブレークスルーを目指しています。とても探究しがいのあるテーマだとやりがいを感じています。

Session03

若手でも材料開発の
最前線に

Session03

T.O.T.O.

チームでものづくりをできることが、この仕事の醍醐味です。ご要望をもとに材料を開発するのはもちろん、実際の工場で生産フローに乗せられるようサポートをしていくのも私の役割です。その際に、原料メーカーとの打ち合わせで新しい原料情報を入手したり、生産部門と量産化にむけて議論をしたり、顧客と一緒に課題解決の方法を考えたり、より特性の高い放熱材料を世に送り出すためにたくさんの人とやり取りしていくことが楽しいです。

C.T.

私は顧客の要望に応えるため、「こうしたら上手くいくのではないか」という仮説を立てて試験を行い、その結果をもとに性能が向上していくプロセスにやりがいを感じます。若手の時から先輩たちがサポートしてくれたおかげで、仮説を立てる力が身につきました。

T.O.

1年目の時に初めて担当したプロジェクトで中国に出張し、顧客への改良品紹介や生産現場に立ち会う役割として私を抜擢していただきました。緊張しながらも無事、重役を担いました。顧客と対話し、製造現場のリアルを知ることができたのは、現在の開発業務にも活きる貴重な経験となっています。

C.T.

太陽ホールディングスは、本当に若手から貴重な経験ができる会社です。この最前線のテーマに取り組ませてもらっていることも、とてもありがたいと感じています。

Session04

社会を前進させ、
環境も守る放熱材料の価値

Session04

C.T.C.T.

今の目標は担当する材料はもちろん、一歩手前の原料や、一歩先の顧客についても知見を深めること。「原料はどのようにしてつくられているのか」「今、顧客を取り巻くビジネスの状況はどうなっているのか」などを理解することで、開発職としての技術をより高めることができると考えています。

T.O.T.O.

私は、「これから電気自動車や自動運転へのシフトに伴い、車載用ソルダーレジストにはどのような特性が必要なのか?」と予測し、世の中のニーズに応えていける開発をしていきたいです。絶縁性・解像性という特性をベースに、技術や工夫次第で様々な特性を加えることができるのもソルダーレジストの面白さと感じています。これからの時代の要求に応える材料をつくっていきたいです。

C.T.

特定の製品の、特定の用途にしか使われないものではなくて、アレンジ次第で様々な製品や用途に使われ、グローバルスタンダードになるような材料を開発できるのが電子材料の魅力と考えます。自分が取り組んだものが世界に広がる、そんな影響力を秘めた材料に若手時代から主体的に関われる点が太陽ホールディングスの魅力だと思います。

T.O.

半導体が高機能化するためには放熱材料が欠かせません。高効率で放熱できれば、余計な電力を削減し、環境負荷を軽減することもできます。私たちの技術は社会を前進させ、環境も守っていく。その一端を担えていることを、大変誇りに思います。

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